あげるとお互い幸せになれる「猫のおやつ」
ですが、どのくらいあげて良いのか?健康に配慮されているのか?安全か?など心配になることはないでしょうか?
我が家では爪切りの終わりや病院から帰ったあと、発情などで食欲が落ちている時にしかおやつはあげませんが、だからこそ成分や原材料が気になります。
そこで今回は、ヒューマングレードの原材料を使用、グレインフリー、健康に配慮された成分が配合されているというおやつ「モグリッチ」について、獣医師の先生にカロリーや成分、気を付けることを詳しくうかがいました。
猫さんが1日に必要なカロリーや、含まれている成分などをご説明していきます。
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1本あたり7.14kcalのモグリッチは低カロリー?
健康な長い猫生をおくるためには、人と同様に痩せ過ぎや太り過ぎではなく、適正体重にあることが第一歩になります。
そのため、飼い主さまには、愛猫さんが健康に生きるために必要な食餌量というものを把握しておかなければなりません。
猫が1日に必要なカロリー
適切な食餌量を知るためには、猫さんの1日の必要カロリー(DER)を理解しておく必要があります。
1日の必要カロリーは、安静時エネルギー要求量(RER)というものに、必要係数をかけると算出することができます。
安静時エネルギー必要量(RER)とは?
これは人で言う基礎代謝量とほぼ同じものです。
RERは、特に活動せずに安静にただ生きているだけで消費されていくカロリーのことで、体重をもとに算出されます。
・RER(Kcal)=70×(体重kg)0.75
1日に必要なカロリー(DER)の計算式
このRERに必要係数をかけると1日に必要なカロリー(DER)がわかります。
・DER(Kcal)=必要係数×RER
そしてこの必要係数は、猫さんのライフステージや生活環境、体格などから選択されます。
たとえば、最も1日の必要カロリーが高い成長期(生後4か月まで)と、哺乳中の母猫さんは、係数が2.5という大きな数字になり、体重に対して食べる量がとても多くなることが分かります。
以下が体重と必要係数をもとにした1日必要カロリー(DER)です。
係数 | 2.5 | 1.4 ~ 1.6 | 1.2 ~ 1.4 | 1.2 ~ 1.8 | 0.8 ~ 1 | 1.1 ~ 1.4 | |
体重(kg) | RER (kcal) | 生後4ヵ月まで | 成猫(未避妊未去勢) | 成猫(避妊去勢済) | 成猫(痩せ気味) | 成猫(太り気味) | 高齢猫(7歳以上) |
1 | 70 | 175 | 98~112 | 84~98 | 84~126 | – | 77~98 |
2 | 118 | 295 | 165~189 | 142~165 | 142~212 | – | 130~165 |
3 | 160 | 400 | 224~256 | 192~224 | 192~288 | – | 176~224 |
4 | 198 | 495 | 277~317 | 238~277 | 238~356 | 158~198 | 218~277 |
5 | 234 | 585 | 328~374 | 281~328 | 281~421 | 187~234 | 257~328 |
6 | 268 | – | 375~429 | 322~375 | 322~482 | 214~268 | 295~375 |
7 | 301 | – | 421~482 | 361~421 | – | 241~301 | 331~421 |
8 | 333 | – | 466~533 | 400~466 | – | 266~333 | 366~466 |
9 | 634 | – | 888~1014 | 760~888 | – | 507~634 | 697~888 |
計算上ではこのような数値になっています。
例えば7歳以上で体重が4kgの場合、218kcal~277kcalが1日に必要なカロリーになっています。
これ以外にも、必要カロリーを左右する要因としては、飼い主さまから遊んでもらう時間の多さや、多頭飼育による活動性の増加など、計算だけでは決められない部分もあります。
年齢、体重、運動量などを考慮し、RER(安静時のエネルギー必要量)に係数を掛けてみてください。
また大型に成長する猫種(メインクーンやノルウェイジャンフォレストキャットなど)は、成長期が長いことが多いので、1歳半ごろまでは係数が多めでも良いかもしれません。
計算上ではわからないことも多いために、実際に給餌してみて毎週同じタイミング(食餌前、排泄後など)で愛猫さんの体重を計測して、増減を確認することが大切です。
モグリッチはグレインフリー?無添加?安全?
モグリッチの5つの不使用「グレインフリー」について
- 香料不使用
- 着色料不使用
- 人工調味料不使用
- 保存料不使用
- 穀物不使用(グレインフリー)
猫さんは、犬や人と違って『完全肉食動物』という食性を持っています。
つまり猫は「基本的には多種のお肉だけを食べている動物」ということです。
そこで、近年問題視されている「グレイン(穀物)アレルギー」についてご紹介していきます。
グレインアレルギーについて
本来は小動物(ねずみや鳥、トカゲ、カエルなど)や昆虫などを食べて生活していました。
ところが、人間との関係がより密接になり、完全室内飼育が推奨されている今は、人間の食餌の一部である炭水化物(穀物:グレイン)も食べる機会がでてきています。
しかし猫さん達は炭水化物などの糖質の代謝が上手ではありません。
炭水化物(穀物:グレイン)は糖類を多く含んでおり、猫さんの糖質代謝が上手ではない本来の食性とは合っていない可能性があります。
完全室内飼育となって、狩りのための体力や活動も必要なくなり、糖質を取るようになった猫さんたちに待ち受けるのは、肥満という緩徐な病です。
また、近年の人気猫種であるスコティッシュフォールドやマンチカンなどは、関節の病気を発症しやすいことで有名ですが、関節炎の最も大きな悪化因子は肥満(過体重)だということを忘れないようにしましょう。
他の猫種であっても、炭水化物(穀物:グレイン)の多い食餌では、猫さんたちは高血糖になりやすいことが分かっています。
高血糖・食物アレルギーについて
猫さんは血糖値を下げる能力がもともと高くありません。
そのため、高血糖になりやすい食餌は避けた方が良いでしょう。
また、近年では多くなってきている猫さん達の食物アレルギーですが、これも猫さん本来の食性に合っていない穀物(グレイン)が腸内環境を変化させている可能性が考えられています。
食物アレルギーの原因となりやすいのはタンパク質ですが、炭水化物でもアレルギー症状がでることがあります。
炭水化物として猫用フードに多く含まれている、小麦や米などの穀類(グレイン)に免疫が過剰反応している反応していることもあるようです。
しかし、人や犬のように食物アレルギーの検査(リンパ球に関するもの)が猫用には存在しません。
そのため猫さんに食物アレルギーを疑うような症状が出ている場合には、原因はコレだ!と特定するよりも、先に低アレルゲン食を試してみて、症状が改善するのかを確認するケースが多いです。
もし愛猫さんに、以下のような症状があった時には、アレルギー体質かも?と気を付けてあげるようにしましょう。
- 体重は減らないものの、軟便や吐き気が多い
- くしゃみ、鼻水、咳などが慢性的にある
- 頭部(顔や耳、首や頭)に痒みや湿疹、脱毛がある
- ワクチン接種でアレルギー反応が出たことがある
上記の症状のうち1~3については、アレルギー反応だけでなく感染症や精神的なストレスでも出ることがあります。
長く症状が出ていて、感染性が無いことが検査で確認できている時には、低アレルゲン食を試すのがお勧めです。
アレルギー体質ではなくても、愛猫さんの健康寿命を考えた時には、毎日食べるキャットフードの成分や組成にもしっかりと注意することが大切です。
モグリッチに含まれている栄養成分
モグリッチに含まれている栄養成分について
- タウリン
- コンドロイチン
- グルコサミン
タウリン
タウリンはキャットフードに欠かせない栄養素であるアミノ酸の一つです。
なぜなら、猫さんたちはタウリンを他のアミノ酸から合成する能力が低く、胆汁から排泄されたタウリンを腸管で再吸収できずに大半を糞便に排出してしまうためです。
ではタウリンが足りないとどのような問題が出るのでしょうか?
母猫がタウリン欠乏の場合
生まれてくる子猫は小脳性発達障害、後肢発達異常、虚弱になってしまうことが知られています。
大人の猫さんの場合
タウリン不足の食餌を続けていると、目の障害(網膜、瞳孔の異常)、心臓の異常(拡張型心筋症)、神経の異常、肝障害が出ることが分かっています。
つまり、タウリンは猫さん達にとって必須なアミノ酸(必ず食べて補う必要がある栄養素)と言えます。
米国飼料検査官協会(AAFCO)ではドライフードでは1000㎎/kg、ウエットフードでは2000㎎/kgを推奨しています。
コンドロイチン・グルコサミン
コンドロイチンとグルコサミンは、軟骨の成分として関節の動きを滑らかにするのに役立っています。
関節軟骨の滑らかさは、Ⅱ型コラーゲン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸によって保たれています。
コンドロイチン
コンドロイチンはコンドロイチン硫酸鎖として、大量の水を吸収して大きなゲルを形成し、軟骨組織の弾力性を保持する役割があります。
そしてヒアルロン酸と結合してⅡ型コラーゲンの網の目を埋め尽くして、軟骨組織特有の粘断性が生まれています。
グルコサミン
グルコサミンはアミノ酸の一種で、コアタンパクと結合してプロテオグリカンを合成します。
老化によってプロテオグリカンの合成が低下してしまうので、その成分であるグルコサミンを補給することによって軟骨の再形成が活発になることを期待されています。
また少しの抗炎症作用があり、関節炎にも効果が期待できます。
関節炎は多くの高齢の猫さんにとって、飼い主様が知っておかなければならない大切な病気です。
特に、スコティッシュフォールドさんは高齢にならなくても、若齢の一歳前後から関節炎が発症していることが多い猫種です。
スコティッシュフォールドさんの関節炎のサインは、以下のようなものがあります。
- シッポや足先を触るととても嫌がる
- 爪研ぎができていない足がある
- 高い所に上らなくなった
- 踵(かかと)がごりごりとしていて太い
どれか一つでも当てはまったときには、獣医師の診察を受けるようにしましょう。
猫さんは自分の辛い状態を隠しがちなので、先に飼い主様が愛猫さんの状態を予想しておくことが必要です。 特に8歳を超えるころからは、関節に良い食生活に配慮しましょう。
塩分に配慮されている?塩分濃度は?
人のように猫さんも、塩分過多の食餌は健康を害すると考えられています。
特に、慢性腎不全の猫さんに高塩分食を与えると病状が悪化することが分かっています。
食塩について
食塩はNaCl(塩化ナトリウム)という物質で、このうちNa(ナトリウム)が特に高血圧や腎不全、心臓病を悪化させます。
腎臓はナトリウムを尿中に排出する働きを持っていますが、機能が低下してくると体内にナトリウムが蓄積しがちになってしまいます。
その状態でナトリウムを多く摂取すると、むくみや高血圧が悪化してしまうのです。
高血圧は腎不全の悪化因子なので、やはりナトリウムは適切な量で制限した方が良いでしょう。
持病を持っている場合は要注意
慢性心不全の猫さんは、循環が悪いためにナトリウムも水分も沢山体内にあるにも関わらず、体は血液量がたりない!と勘違いしている状態になります。
すると体は、腎臓での水とナトリウムの再吸収を増強する指令を出してしまうのです。
これによって全身のむくみ、胸水(胸の中に水がたまる)、肺水腫(肺に水がたまる)、腹水(お腹に水がたまる)などの症状が出ることがあります。
これはとても苦しい状況なので、治療では利尿薬や低ナトリウム食が推奨されています。
慢性心不全の犬のナトリウム制限は0.08~0.25%(乾物中)が推奨されていますが、猫では明確な数字は出ていません。
それでも、塩分過多の食餌では猫さんの心臓病も悪化させる可能性が高いので、塩分濃度はしっかりと把握するようにしましょう。
ナトリウム(塩分)の必要量について
ナトリウムの必要量は成長段階によって異なり、成長期は0.2%(乾物中)、成猫では0.19%、高齢期には0.06~0.19%が推奨量です。
人では塩分過多の食餌が高血圧のリスクを高くすることが分かっているのですが、猫さんでは塩分過多が高血圧に直結しているというデータはありません。
しかし高血圧の猫さんに低ナトリウム食を与えると、その50%で血圧が下がったという報告があります。
高齢の猫さんは高血圧になっているケースが多いために、ナトリウム濃度は健康に大きな影響を与えると知っておきましょう。
高血圧になった猫さんにはどんなリスクがあるのかというと、失明、網膜出血、発作、頻回嘔吐、心雑音、心臓障害などが挙げられます。
どれも生活の質(QOL)が低下するような状態と言えるでしょう。
おわりに
適切な塩分濃度の食餌を与えるということは、上記の怖い病態のリスクを下げることができる、ということです。
もちろん、ナトリウム濃度が低すぎても、体には重大な障害が出てしまいます。
主に神経症状がその代表であり、痙攣や筋肉の引きつり、意識障害、昏睡など、怖い症状が出てしまうのです。
塩分は少なすぎても、多すぎても良くありません。 推奨量を知って、適切に与えることが猫さんを長寿に導いてくれるのです。
また、飼い猫に関して悩みがある方は、「同じ悩みを抱えている」「同じことを経験した」など、飼い主同士で情報交換が出来るサイト【DOQAT】があります。
登録無料で実際に経験した人が答えてくれます。
動物を飼っている方は優しい方が多く、親身になって答えてくれますので、経験した生の声を聞きたい方はぜひ登録してみてください。
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