愛猫のための動物病院を選ぶ時の基準が、曖昧な方が多いのではないでしょうか?
上記のような疑問にお答えするために、この記事では猫にとって優しい病院かどうかのチェックポイントについて解説します。
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猫にとって優しい動物病院とは?
愛猫を連れていくなら、猫に優しい動物病院が良いと思いませんか?
もちろん、獣医療的にも正しい検査や診断、治療をしてくれるということは大前提ではありますが、正しい事をしてくれても、猫の扱いが酷い動物病院に連れていきたいと思う飼い主様はいないと思います。
猫にとって良い動物病院とは、具体的にどのような所なのかを知っておくと、たくさんある動物病院から納得のいくかかりつけ医が選べます。
あまりに遠い動物病院では、猫への負担が大きくなってしまうので、距離というのも1つの大切なポイントです。
車で移動することも多いですが、近ければ近いほど良く、車に慣れている猫でも移動時間は1時間以内が理想です。
その他にも、猫に配慮された待合室なのか、猫に優しい診療体系なのか、猫についての正しい知識があるのか、などがチェックポイントとしてあげられます。
実際に診察に行く前に電話やホームページでどんな動物病院かを調べてから受診するようにしましょう。
診察前に電話で聞いてみよう
全く知らない動物病院に初めて行くときは、どんな飼い主さまも猫も緊張しています。
もし電話で事前に確認しておければ、「こんなに動物病院だったなんて!!」とがっかりすることも少ないのでお勧めです。
電話では次のような項目について確認してみましょう
診察予約
まず、予約診察ができるかどうかは、待ち時間が苦痛な猫にとって大切な確認事項です。
いつも暇で、行ったらすぐに受診できる動物病院も多いのですが、獣医師が1人で診察している動物病院では、自分の直前に2件3件の診察が入ってしまうとすぐに1時間待ち、という事態になります。
予約診察をしている動物病院では、緊急の患者さんなどがいなければ、だいたいは15分から長くても30分ほどで診察に呼ばれます。
もちろん、生き物を相手にしている診察なので、必ず予約時間に呼ばれる、ということではありませんが、予約診察を実施している病院のほうが安心でしょう。
猫専用の診察時間
更に猫に優しい動物病院では、猫専用の診察時間を設けていることが多いです。
猫専用、つまり犬がいない、ということですね。
基本的に猫は、大きな犬や、吠えている犬が苦手です。
既に具合が悪い状態の猫を、恐怖によるストレスから守れるのが「猫専用の診察時間」。
記事の最後に紹介する、キャットフレンドリークリニックでは猫専用の診察時間が必ず設けられています。
猫専用の待合室
猫専用の診察時間がなくても、猫専用の待合室があれば、猫にとってはストレスの大きな軽減になります。
診察を受けるまで、あるいは会計で呼ばれるまで過ごす待合室は、長い時間滞在することも多いので、猫に優しい病院かどうかの大切な判断ポイントです。
犬は猫に興味があることが多く、飼い主さまが気を抜いたスキに猫のキャリーバッグに突進してくることも。。。
また、待合室の隣の席でずっと犬が吠えていては、猫にとってとてつもないストレスになります。
そのため、猫と犬の待合室がしっかりと区切られている動物病院が猫には優しい病院と言えるでしょう。
子猫セミナー
子猫を飼うのが初めての場合は、動物病院で最初に正しい知識を教えてもらいましょう。
猫のことをしっかりと考えている動物病院では、子猫セミナーを開いています。
飼い主さまの不安を軽減し、悩みを聞き、何をしたら良いのか、何をしたらいけないのか、などを教えることによって、幸せな猫生を送れるようにお手伝いしてくれるのです。
各動物病院によって、話の内容は違うかと思いますが、だいたいは上記のようなものでしょう。
今までに猫を飼っていたけれど、問題行動に困っていたり、何か心配なことがあったり、正しい知識を知りたい!という場合にも参加できます。
子猫セミナーは無料なことが多いですが、病院によっては有料かもしれませんので、料金なども先に確認しましょう。
猫に優しい受付での対応
事前に電話で確認して、受診する動物病院が猫にどのくらい配慮しているかの情報を得たら、猫を連れて動物病院へ行きましょう。
動物病院では、最初に受付に行って、待合室で待機するというのが一般的な流れですが、その時に猫に優しい動物病院ではどんな対応をしてくれるでしょうか。
受付スタッフ
受付では主訴(なぜ受診するのか)を確認する作業があります。
その時に、キャリーバッグの中の猫とは目が合わないような位置でお話ししてくれるのが、正しい対応です。
猫は真正面から知らない人と目が合うと、恐怖を感じます。
緊急症例で、受付で意識や呼吸の確認などを行うのでなければ、基本的には猫と目が合わないようにするのが正解。
受付で、うちのコを見てくれなかった!という患者さんもいますが、猫に配慮しているスタッフの行動なので安心してくださいね。
タオル
猫に優しい動物病院では、受付で大きな目隠し用のタオルを貸してくれることがあります。
ご自由にお使いください、と書かれた目隠しのタオルが置いてあることも多いでしょう。
キャリーバッグをタオルで覆うことで、他の動物や人と目が合ったり、あるいは他の動物の動きが見えないようにするのが優しさです。
家の匂いがついているタオルが最適ですが、もし目隠しのタオルを忘れた時は病院のタオルを借りましょう。
薄暗く狭い環境にしてあげることで、猫を落ち着かせることができます。
猫合成フェイシャルフェロモン
猫が顔をこすりつけるのは、顔から出るフェロモンを付けて、自分の場所としてアピールしているためです。
この猫の顔から出るフェロモンを人工的に合成したものが、猫合成フェイシャルフェロモンで、猫を安心させる作用が期待できます。
猫合成フェイシャルフェロモンはスプレータイプと蒸散タイプがあり、これが待合室や受付に置いてある病院は、かなり猫への配慮を勉強している動物病院と言えるでしょう。
猫に優しい診察
猫に優しい診察としては、次のどちらが正しいでしょうか?
正解は②です。
飼い主さまと話している間は、基本的には猫は待ち時間なので、診察台という身を隠す場所がないストレスのかかる所で長く待たせるのは良くない、とされているからです。
獣医療で最初に大切なのは飼い主さまから得られる情報、つまり問診です。
飼い主さまから、猫の性格や既往歴、予防歴、症状の悪化傾向、思い当たる原因など、たくさんの情報を得られるので、時間がかかるのです。
問診をとって、それをカルテに記入して、それから猫を診察台にあげます。
ただし、継続の診察で、問診も多くなく、猫の調子が良い時は、最初から診察台に乗せることもあるでしょう。
そして問診後に診察が始まるわけですが、猫に優しい診察とはどのようなものでしょうか
以下の点に注意してみてみましょう。
獣医師の声
問診中にキャリーバッグの中で、怯えながら猫は待っていますが、この時に獣医師の声を聴いて、存在を把握していることでしょう。
猫は音にも敏感なので、猫を診察するときの獣医師は極力大きな音を出さないようにしています。
さらには、大声ではなく、なるべく単調に話して、猫を驚かさないように努めます。
負担の少ない検査
猫にとって負担の少ない検査の条件とは、猫を抑える時間の少ない検査と言えます。
最も負担が少ないのは、尿検査と便検査でしょう。
猫自身は来院しなくても、尿と便だけを動物病院にもっていけば検査をしてもらえるからです。
血液検査も、採血時間は一瞬なので、猫の協力が得られれば猫への負担は最小限です。
レントゲン検査も一瞬ですが、決まった体勢で猫に動かないように数秒は我慢してもらうことにはなります。
猫の性格と、病気の重症度、検査によって猫にかかる負担を考えながら獣医師は検査をお勧めします。
人では負担が無いとされている超音波検査(エコー検査)ですが、猫の性格によってはじっとしている時間が長くなるので、負担は大きいかもしれません。
超音波検査の良いところは、採血のように針で刺すこともなく、レントゲン検査のように被爆することもない、非侵襲的(生体を傷つけないよう)な所ですが、猫のストレスの感じ方や病状によって、実施するかを獣医師が判断するでしょう。
怖がりな猫への工夫
興奮して飼い主さまを噛む、逃げ回ってキャリーバッグの中に入れられない、受診後には体調を崩す、そんな怖がりな猫も多くいます。
動物病院に行くことで、体調が悪くなってしまう猫さんですね。
本来は子猫の社会化期に、キャリーバッグや動物病院に慣れるトレーニングをしておくことが大切ですが、それもままならない時に動物病院から提案されるのが、不安を抑えるサプリメントや抗不安薬です。
欧米では一般的なのですが、日本では落ち着くお薬を飲ませる、ということに躊躇いを感じる方が多いようですが、猫の恐怖心を小さくできるので、メリットがとても多いのです。
不安を抑えるサプリメントは沢山の種類がありますが、獣医師から処方されるか、勧められたものを使用しましょう。
我慢だけを強いるのではなく、苦痛や恐怖を軽減するための提案を持っている動物病院が、猫に優しい病院です。
病院嫌いの猫のための記事はこちらからご覧ください。
⇒愛猫を病院嫌いにしない!ストレスなく通院する工夫【獣医師監修】
猫医学会に認められている動物病院
猫に優しい動物病院と一目でわかるのは、猫医学会に認定されたスタッフがいるかどうか、そしてイギリスの猫医学会のキャットフレンドリークリニックに認定されているかどうか、です。
キャトボケート認定スタッフ
日本の猫医学会に入っており、規定のセミナーを受講して、試験を受けて合格したスタッフがいる動物病院は、猫に対する正しい知識をもっているスタッフが確実にいる、ということです。
動物病院ならみんな正しい知識をもっているでしょう??
と思うかもしれませんが実はそうでもありません。
猫は犬とは全く違った動物であり、犬と同様に扱ってはいけません。
正しい知識を持っていないと、今までにあげてきた対応はできていないことが多いのです。
例えば受付で、猫の顔をしっかりと見て猫にも挨拶をするスタッフ、それは一見すれば猫に優しいような行動ですが、猫への配慮に欠ける知識のない行動なのです。
キャットフレンドリークリニック
猫に優しい動物病院として各種の項目を満たしていると、キャットフレンドリークリニックとして認定されています。
インターネットで「キャットフレンドリークリニック」と検索してみて、家の近くに無いかを確認してみてくださいね。
おわりに
猫に優しい動物病院の条件としては以下のものがあります。
実際に受診する前に、ネット検索や電話での事前確認も大切です。
本当の意味で猫に優しい動物病院を見つけましょう。
また、飼い猫に関して悩みがある方は、「同じ悩みを抱えている」「同じことを経験した」など、飼い主同士で情報交換が出来るサイト
登録無料で実際に経験した人が答えてくれます。
動物を飼っている方は優しい方が多く、親身になって答えてくれますので、経験した生の声を聞きたい方はぜひ登録してみてください。
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