子猫のころに感染した猫風邪のせいで、いつも鼻水がでているという猫は多くいます。
または、いつもは出ないけれど、季節の変わり目にはいつもクシャミと鼻水が増えてしまう猫も多いでしょう。
治療をしても治らない、あるいは治療で良化はするけれどもすぐに元通りで、猫の鼻水は諦めているという飼い主さまが多いのではないでしょうか?
この記事では、諦めがちな猫の慢性鼻炎の治療について詳しく解説します。
もちろん、治らない猫もいますが、全てやってみてから受け入れるというのがお勧めです。
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猫の鼻水、慢性鼻炎の治療は原因特定から!
鼻水が出たり出なかったりと繰り返す猫さんには、どのような治療法があるのでしょう。
その鼻水が良くなるかどうかは、「原因がしっかりとわかっているか」が大切です。
原因に対して正しい治療をすれば、だいたいの鼻炎症状が良化します。
治療の前に、まずはしっかりとした検査を受けて原因を特定できているのが理想です。
猫の慢性鼻炎の原因
鼻炎の原因は大きく分けて5つです。
これらのうち、猫の鼻水の原因がどれなのかを検査して把握しましょう。
ウイルス感染性鼻炎の場合
猫風邪の原因であり、猫の鼻水の原因となりやすいのが、ネコヘルペスウイルスです。
ヘルペスウイルスと言っても、人にはうつらないネコヘルペスなので安心してくださいね。
ネコヘルペスウイルスは、子猫の時に感染した親から移されていることが多いです。
抗ウイルス薬が存在するので、点眼点鼻薬や飲み薬で処方されます。
ファムシクロビルなどが以前から使用されていますが、効果は抜群なものの、とても高価なところがネックです。
動物病院によって、治療薬の値段は異なるのですが、一週間分で5000円前後でしょう。
そして、抗ヘルペスウイルス薬で良化しても完治ではないことも知っておいてほしい所です。
なぜなら、細胞の中に入り込んでいるウイルスをゼロにすることが難しいのです。
免疫力が低下すると、すぐに再発します。
そのため、梅雨や秋雨など、気温の上下が大きい時に悪化する傾向があるでしょう。
ただ、混合ワクチンの定期的な摂取によって、免疫が維持されていると再発を軽減することが出来ます。
ただし、細胞内にいるウイルスに効果のある生ワクチンを選択するようにしましょうね。
細菌性鼻炎の場合
検査によって、鼻汁の中にたくさんの病原細菌がいた時は、細菌性鼻炎の可能性が高くなります。
透明でサラサラの鼻水ではなく、どちらかと言えばドロッとしていて、いわゆる青っ洟(あおっぱな)と呼ばれるものが多くでます。
治療の鍵は細菌検査!
細菌培養、感受性試験によって、どんな抗菌薬が効くのかを確認してあれば、しっかりと効果のある抗生物質や抗菌薬が投与できるでしょう。
鼻水が良くなっても、途中で飲むのを止めてしまわずに、必ず処方された日数を飲み切りましょう。
途中で抗菌薬の治療をやめてしまうと、耐性菌ができてしまうので、鼻炎が難治性になりやすいのです。
だいたいは、ウイルスとの混合感染ということが多く、その点でも難治性なことが多いでしょう。
それでも感受性のある、つまり効果のある抗菌薬をしっかりと投与すれば良化します。
多剤耐性という言葉が獣医師から出てきたら、抗生物質や抗菌薬の治療が難しくなってしまった、ということです。
耐性菌を増やさないように、獣医師からの投薬指示をしっかりと守りましょう。
真菌性鼻炎の場合
猫の真菌(カビ菌)による鼻炎はごくごく稀です。
それでも、もし感染していると顔の形が変わるような症状も出るので、注意が必要でしょう。
鼻汁の検査によって、真菌が検出された鼻炎では抗真菌薬を投与します。
やや肝臓に負担がかかるので、だいたいの動物病院では1-2週間に一度の血液検査を行います。
治療期間が長くなることが多いので、定期的な血液検査をしっかりと受けるようにしてください。
歯周病性鼻炎の場合
歯の問題が鼻炎の原因になっていることがあります。
鼻の問題ではなく、歯の問題なので、治療のためには歯の炎症を治さなければならないのです。
なぜ歯周病が鼻水やくしゃみの原因になるの?と不思議に思われるかもしれませんね。
猫の歯の根っこは長く、鼻腔(鼻の奥の方)の間近まで伸びています。
そのために、歯の根っこに細菌感染がおきる歯周病では、膿や炎症が鼻腔にまで伝わってしまって、鼻水やクシャミを引き起こすのです。
アレルギー性鼻炎の場合
猫にもアレルギーはあり、人と同様にクシャミや鼻水が出ます。
春に鼻水が増える、秋はクシャミが酷い、など季節性がある場合は花粉などの環境性の原因が考えられるでしょう。
「寝室に入るとクシャミをたくさんするわ」という猫もいました。
これはハウスダストに反応している可能性が高いと考えられます。
アレルギー性の鼻炎の対策として大切なのは、原因物質を減らしていくことですが、猫の場合は原因物質が特定できないことがほとんど。
そのため慢性化していて、感染性がない場合には、アレルギー性鼻炎だろう、と予測して治療が開始されます。
内服
内服薬とは「飲み薬」のことです。
抗アレルギー剤を飲むことによって鼻炎症状を緩和します。
抗アレルギー剤には、ステロイド系や非ステロイド系、抗ヒスタミンなどがありますが、それぞれの猫の体調に合わせて獣医師が処方します。
ステロイド系のお薬は、副作用を心配される方も多いのですが、鼻炎症状を抑える効果は抜群です。
また非ステロイド系のお薬の10分の1ほどの薬価なので、お財布には優しいと言えます。
ただ、肝酵素や血糖値などを定期的にチェックする必要はあるでしょう。
点鼻薬
鼻にお薬を1.2滴入れるのが点鼻薬。
完全に鼻が詰まっている場合は効果が出にくいかもしれません。
しかし、内服薬が全身に効いてしまうのと比較して、点鼻薬は効果が局所的なところが長所です。
軽度な鼻水やクシャミでの治療、あるいは吸入薬と併用で使用されることが多いですね。
ネブライザー
薬剤を噴霧して、それを吸い込むことによって効果が出ます。
人でも喘息や気管支炎の治療で使用されているので、耳鼻科で経験したことがある方も多いのではないでしょうか。
こちらも内服薬と違って効果が局所的なので、副作用も出にくいところがメリットです。
猫は人のようにマスクをつけてじっとしているのが難しい事も多く、動物病院ではボックスに入って吸入してもらうことが多いでしょう。
吸入薬
人の喘息の治療で使用されるような、ステロイド系の薬剤の吸入薬です。
ステロイド系であっても、鼻や鼻腔に効くのみなので、副作用は最小限で済みます。
今まで鼻が詰まっていた猫も、すっきりと治ることが多いので推奨されます。
ただ、取り扱っている動物病院は少ないので、かかりつけ医に確認してみましょう。
おわりに
慢性鼻炎になってしまった猫さんは、常に鼻水やクシャミに悩まされています。
諦めている飼い主様が多いのですが、しっかりとした検査と適格な治療で、良化することが殆どです。
治療法も沢山あるので、ぜひ愛猫にあった方法で治療して鼻炎とお付き合いしていきましょう。
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