猫の膀胱炎は「秋から冬、そして春先」が増える傾向にあります。
膀胱炎の治療で大切なのが尿検査ですので、動物病院で「オシッコを取ってきてください」と言われたことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか?
この家での採尿が、とにかく難しいので皆さまとても苦労されています。
しかし、家で採尿ができるということは猫にとって非常に大切。病院に行く必要がなく、ストレスが大幅に軽減されます。
この記事では尿検査の重要性と、家で採尿することのメリット、家での採尿法、そして検査できるオシッコについて詳しく解説します。
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猫の採尿の重要性
尿検査は早期腎不全の発見や、膀胱炎の原因確認ができるので、とても有用性が高い検査です。
糖尿病では尿中に糖分が出て発見されることもあり、病気の早期発見につながります。
尿だけを病院に提出するだけで、猫が病院に行かなくても検査可能なところもポイントが高いです。
病院が苦手な猫でも、定期検査では尿を動物病院に提出するだけで済む場合も多いからです。
こんな大切な尿検査も、尿が取れなくては検査ができません。
そのために、家で採尿ができるように準備しておきましょう。
家での採尿法
色々な採尿法があるので、愛猫にあった採尿法を見つけるまで試行錯誤が必要です。
しかし採尿のために猫がトイレに入るのを真剣に観察してしまうと、猫がストレスになってしまうという点が問題です。
猫がオシッコをするのを、今か今かと待っていると、猫が緊張してオシッコを我慢してしまうかもしれませんので、あまりトイレの様子を見続けないようにしてあげましょう。
以下にあげるのが、飼い主さまによくおススメする採尿方法です。
採尿できるかどうかは愛猫の性格次第なところがあるので、色々試してみましょうね。
ビニールラップ
猫砂を使っている場合には、砂に吸い込まれてしまってオシッコを取ることができません。
かといって、砂がなければオシッコをしないので、どうしたら良いのか?という時には食品用ビニールラップをトイレの砂の上に一部敷いておいてもらいます。
運よく気づかずに排尿してくれれば、砂掛けの前に愛猫には出てもらって、すぐにオシッコを回収します。
しかし、変なものがトイレにある!と気づいて埋めてしまう猫さんには難しいかもしれません。
お玉
猫がオシッコをしている最中に、そっとお玉を差し入れて採尿する猛者、いや素敵な飼い主さまも多くいます。
この採尿法では、異物の混入や細菌の混入も少なく、採尿量もしっかりとあるので検査には最適でしょう。
しかし、猫がオシッコをするのをずっと待っている必要があるのと、トイレ中に近づくと猫が嫌がる場合には難しいですね。
ウロキャッチャー
おたまほど存在感なく空中で尿をキャッチできるのがウロキャッチャーです。
動物用の採尿グッズで、棒の先に四角いスポンジがついています。
動物病院で渡されることもありますし、飼い主さまが割りばしの先にスポンジを付けて作成するケースもありました。
これの良い点は、お玉よりは小さいので、猫に気づかれない可能性が上がる、という点と、異物の混入が少ない尿が取れるところです。
しかしやはり猫がオシッコをするのを、近くでずっとまっている必要があるので、その点が難しいかもしれません。
お弁当用の醤油さし
もしトイレではなく、床などいつもと違うところにオシッコをしてしまった時には、100円均一で売られている、お弁当用のお醤油さしで吸い取ってもらうのがお勧めです。
他の方法で採尿したものを病院に提出する容器としても最適ですし、指で押して陰圧をかけて、シュっと吸い取ることができるので衛生的。
液体を持ち歩くためのものなので漏れる心配もありません。
猫を飼うのであれば、携帯用のお弁当お醬油さしは常備しておきましょう。
システムトイレ
採尿しやすいものの代表はシステムトイレです。
撥水性のある新品の砂にして、トレーの部分に落ちてきたオシッコを採尿するだけ。
猫にプレッシャーをかけることもなく、猫がオシッコをするのをじーっと見る必要もありません。
新しい撥水性の砂であれば尿の性状が変化するのも最小限で済むでしょう。
問題は、システムトイレが嫌いな猫いるという点です。
猫は基本的にサラサラの細かいトイレ砂を好むためですね。
システムトイレは採尿には最適ですが、猫の好みに合わないことも多いのがネックです。
検査に適した猫のオシッコとは
せっかく採尿しても、検査できないオシッコでは意味がありません。
では検査できるオシッコとはどんなものでしょうか?
ゴミや便が入っていると、それが膀胱から出てきたものなのかが分からないので、検査の信用性が低くなってしまいます。
そのため、地面に付く前の尿が検査としてはベストです。
その点でいうと、お玉やウロキャッチャーでの採尿が理想的と言えますね。
しかし、地面に付いていたからと言って、絶対に検査できない!ということではありません。
システムトイレも新しい砂ときれいに掃除した直後のトレイであれば、検査できるオシッコが取れるでしょう。
できれば排尿後数時間のうちに検査をすることが大切です。
しかし、赤血球があるかないか、尿糖があるかないか、などの検査は時間がたっても検査できることがあるので、まずはかかりつけの先生に何時間までが良いのかを確認しておきましょう。
動物病院で行う猫の採尿
どうしてもオシッコが家ではとれない!という飼い主さまも多く、病気の診断治療のためにも直ぐに尿検査が必要という時には動物病院で採尿をします。
その採尿方法にはどんなものがあるのかを知っておきましょう。
カテーテル採尿
オスであれば陰茎から細い柔らかいチューブを入れて、採尿することが可能です。
ばい菌を膀胱に入れてしまう可能性はあるものの、局所麻酔ゼリーを使用しているので、強い痛みもなく採尿できます。
メスの猫ではカテーテル採尿は難しいことが多く、あまり行われることがありません。
それでもベテランの獣医師ではさほど苦労もせずに採尿できることがあります。
膀胱穿刺(ぼうこうせんし)
無菌的に採尿したいときには、お腹から針をさして直接膀胱から採尿することが多いです。
え?お腹に針を刺すの??!と驚かれる方もいるのではないでしょうか?
私も自分の愛猫にやるとなると、他の獣医師に変わってもらいたい気持ちがします。
ただ、痛いのはほんの一瞬ですし、針も太いものではありません。
膀胱から無菌的に尿が取れるので検査には最も適している尿と言えます。
病気の状態によっては膀胱穿刺ができないケースもあるので、獣医師の判断によるところでもあります。
圧迫排尿
お腹を押して、膀胱を小さくしてオシッコを出させるのが圧迫排尿です。
しかし、膀胱をおすことによって、腎臓のほうへ尿が逆流する猫もいることが分かっているので、推奨されないケースが多いですね。
これも猫の状態によって獣医師が判断しますので、しっかりと説明を聞くようにしましょう。
おわりに
猫の自宅での採尿法には以下のようなものがあります。
どれもメリットデメリットがあるので、愛猫にあったもので採尿しましょう。
どうしても採尿出来ない時には、動物病院で採尿してもらうことも可能です。
しかし家で採尿が出来ると愛猫のストレスも軽減できるので、色々試してみてくださいね。
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